ヴィーガン（Vegan）とは、動物由来の製品を一切摂取しないライフスタイルや食事法を実践する人たちのことです。ヴィーガニズムは、食生活だけでなく、動物製品を含むすべての製品（衣類や化粧品など）の使用を避ける倫理的な生活の選択肢を指すこともあります。
1. ヴィーガンの食事
ヴィーガンの食事は、植物由来の食品に限定されます。具体的には、以下のものが食べられます。
- 野菜や果物
- 豆類（レンズ豆、ひよこ豆、黒豆など）
- 穀物（米、オーツ、キヌアなど）
- ナッツや種子
- 豆腐やテンペなどの大豆製品
- 植物性ミルク（アーモンドミルク、豆乳、オーツミルクなど）
- 植物性の肉代替品（大豆ミート、ジャックフルーツなど）
ヴィーガンが避ける動物由来の食品には、以下のものがあります。
- 肉全般（牛肉、豚肉、鶏肉、魚など）
- 乳製品（牛乳、チーズ、バター、ヨーグルトなど）
- 卵
- はちみつ
2. ヴィーガンの理由
ヴィーガンになる理由はさまざまですが、主な動機は以下の3つです。
a. 動物愛護（アニマルウェルフェア）
動物の権利を尊重し、動物を利用しない生活を志向するために、動物性食品や製品の使用を避けます。工場畜産の問題や動物の苦しみに対する意識から、ヴィーガンになる人が多いです。
b. 環境保護
畜産業は温室効果ガスの排出や土地・水資源の過剰利用など、環境への負荷が大きいとされています。これを理由に、環境負荷を軽減するためにヴィーガンを選ぶ人が増えています。
c. 健康志向
ヴィーガン食は、心臓病、肥満、2型糖尿病、特定のがんなどのリスクを減らすとされているため、健康目的でヴィーガンになる人もいます。特に、加工肉や動物性脂肪の摂取を減らすことが健康につながるとの研究が注目されています。
3. ヴィーガンとベジタリアンの違い
ヴィーガンとベジタリアンの違いは、食事における動物性食品の制限の範囲にあります。
- ベジタリアン：肉や魚は食べませんが、卵や乳製品は摂取する人が多いです（例：ラクトベジタリアン、オボベジタリアン）。
- ヴィーガン：肉、魚だけでなく、卵や乳製品、はちみつなどすべての動物由来の製品を避けます。
4. ヴィーガンの世界人口
現在、世界のヴィーガン人口は推定で約1%から3%の範囲で、つまり約8000万人から2億3000万人がヴィーガンのライフスタイルを選んでいると考えられています。
インドは特に高く、約10%以上の人がヴィーガンであるとされています。
アメリカやブラジル、メキシコ、中国では、2～4%の人がヴィーガン食を選んでいます。
ドイツでは、全体で約3%がヴィーガンですが、若年層ではヴィーガンやベジタリアンの割合がより高い傾向があります。
5. ヴィーガンの広がり
ヴィーガニズムは、世界的に人気が高まりつつあります。ヴィーガン対応のレストランやメニューが増加し、スーパーマーケットではヴィーガン専用の食品が豊富に揃っています。「植物性食品」や「プラントベース」という言葉も、ヴィーガン食の一部として使われることが増えています。
特に欧米諸国、オーストラリア、カナダなどではヴィーガンの選択肢が増え、日本でも都市部を中心にヴィーガン対応のレストランやカフェが増加しています。
ヴィーガンについて理解を深めることで、食の多様性に対応したメニュー開発や飲食店の運営、インバウンド対策にも役立てることができます。
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※以下はイメージです。（photo by “Tavolata” in Philippines）
