レストランの英語メニュー作成ガイド:気をつけるべき10の基本

1. 正確な翻訳を心掛ける

料理名や説明を正確に翻訳することは重要ですが、直訳は避けるべきです。文化的な背景や料理の特徴を考慮し、わかりやすく伝える表現を選びます。例えば、「たこ焼き」を“Octopus Ball”と訳すと、形状や調理方法が正確に伝わりませんが、“Grilled Octopus Dumplings”と補足を加えると料理のイメージがしやすくなります。さらに、特定の国の料理に詳しい翻訳者やネイティブスピーカーに依頼することで、翻訳の質を高めることができます。

2. 分かりやすい料理名を使う

日本特有の名称をそのまま使う場合、英語でわかりやすい補足を加えることがポイントです。たとえば、「うな重」はそのまま“Unaju”と表記しても伝わりませんが、“Grilled eel served over rice in a lacquered box”と書けば、内容をイメージしやすくなります。こうした工夫により、外国人顧客が興味を持ちやすくなります。

3. 料理の特徴を補足する

料理の味や調理方法、使われている材料を簡潔に説明することは顧客の安心感につながります。例えば、「天ぷら」の場合、”Tempura: Lightly battered and deep-fried seafood or vegetables, served with dipping sauce.”と記載すると、食材や提供方法が具体的に伝わります。また、ソースや付け合わせも含めると、さらに詳細な情報を提供できます。

4. アレルギー情報を明記

多国籍な顧客層を考えると、アレルギーや宗教上の理由で避けたい食材について明記することが重要です。例えば、「Contains peanuts」や「Gluten-free available」などの注意書きをメニュー内に入れるだけでなく、ピクトグラムを使用して視覚的にも分かりやすくすることが効果的です。ヨーロッパの多くのレストランでは、このような表記が標準化されており、日本でも取り入れる価値があります。

5. 文化的な背景を簡潔に紹介

日本料理には独自の歴史や文化があるため、それを簡単に説明するだけで外国人顧客の興味を引くことができます。例えば、「寿司」はただ”Raw fish on rice”と説明するのではなく、”Sushi: A traditional Japanese dish featuring vinegared rice paired with fresh fish or other toppings. Originating in Edo-period Japan.”と背景情報を加えることで、料理がより特別に感じられます。

6. 見やすいデザインを意識する

英語メニューのデザインは視認性が鍵です。文字サイズやフォントは読みやすいものを選び、項目ごとに余白を設けることで、情報を整理します。また、メニュー内のカテゴリーを色分けやアイコンで示すことで、顧客が探している料理をすぐに見つけられるようにします。シンガポールや香港の高級レストランでは、洗練されたデザインの英語メニューが顧客に好評です。

7. 写真を添える

料理の写真を添えることで、外国人顧客が安心して注文できます。ただし、写真は実際の料理と一致させる必要があります。写真のクオリティが低いと逆効果になることもあるため、プロのカメラマンに依頼するのも一案です。特に珍しい料理や、日本特有の料理(例:もつ鍋)には、写真を使って具体的なイメージを伝えると注文率が上がります。

8. 数値表記に統一感を持たせる

価格や料理の量を示す場合、統一されたフォーマットを採用することが信頼感につながります。たとえば、「¥500」と表記する場合、他のすべての価格表記も同じ形式に統一します。また、量を示す場合には、グラムやオンスなどの単位を明記することで外国人にとって分かりやすい表現となります。ドリンクメニューでは、容量(例:330ml)を明示するのも効果的です。

9. 簡単な英語を心掛ける

英語が母国語でない観光客でも理解しやすい表現を選ぶことが重要です。例えば、「Crispy fried chicken seasoned with garlic and spices」のように、シンプルで具体的な英語を使います。あまりにも難しい単語や専門用語を避けることで、顧客が混乱するのを防ぎます。また、メニュー全体を一度ネイティブスピーカーに見てもらい、簡潔で分かりやすい表現にブラッシュアップすることも有効です。

10. QRコードで多言語対応を補足

英語だけでなく、他の言語での情報提供も求められる場合があります。その場合、メニューにQRコードを追加し、スマートフォンで読み取ることで多言語版メニューにアクセスできるようにするのが便利です。たとえば、特定の料理の調理過程や詳細なアレルギー情報を、専用のウェブページに記載すると、紙のメニューでは伝えきれない情報を補足できます。この方法は、スペースを節約しつつ情報量を増やすために有効です。


これらのポイントを取り入れることで、英語メニューが外国人顧客にとってより親しみやすく、信頼できるものになります。言葉の壁を取り除くだけでなく、文化を伝える重要なツールとして英語メニューを活用しましょう。

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※以下はイメージです。(photo by “Tavolata” in Philippines)